タバコ

2006年11月8日 グルメ
タバコ
★もっとも旧い喫煙の歴史は、紀元まもないマヤ文明=南米アンデス山脈 標高2000〜3000mの高原地帯で、ボリビア南部からアルゼンチン北部と推定されています。(7世紀末ごろのマヤ遺跡のレリーフに、タバコを吸う神像(ジャガーの神)が彫刻されている)
ここで使用されていたタバコは、現在、世界でもっとも多く栽培されているたばこである、ニコチアナ・タバカムの野生種であったことが、調査でわかっています。

マヤ族は生物に生命を与える太陽を崇拝し、火や煙を神聖なものとして崇める習慣がありました。
彼らは火の神を礼拝する際に、火の神の霊が宿るものとしてタバコを吸ったようです。
また、タバコは神託を与えられるとして、その火の動きや煙の形から戦の勝敗や未来の吉凶を占ったりするなど、儀式も行なわれていました。(アニミズムの一つだった)
当初タバコは嗜好品としてではなく、上のような宗教儀式的意味合いに加え病気にとりつく悪霊を取り払う治療用として考えられており、貴重な薬剤だったようです。

その後タバコ文化はマヤ文明からインカ、アステカ文明に伝えられ、南北アメリカ大陸全土に広まって行き、15世紀以降、ヨーロッパ全土へと広まります。

タバコの歴史の中で特に注目すべき点は、北米(インディアン)におけるタバコの使われ方だと思います。
彼らは仲間同士で親睦を深めるカルメット(パイプの一種)を使い、仲間と一緒に精霊と喫煙することによって政治的課題や約束事=役割や規範を分かち合ったそうです。
ここにおいてタバコは、神への捧げものとしての宗教的役割から、他者との一体感を分かち合うための道具へと進歩していったと言えます。
部族間の争いごとを治める和の儀式にもタバコが使用されています。部族の長同士が、カルメットを用い親睦を結び、争いの締結を図ったようです。


●マヤ文化に根づいていたタバコ
1492年にコロンブスが新大陸発見、喫煙という奇妙な風習(宗教的儀式)をヨーロッパに持ち帰りました。

スペイン同様、大航海時代の主役・ポルトガルも、新大陸に足跡を記し、喫煙の習慣を知ります。
他のヨーロッパ各国へは、主にこの両国を介して、16世紀半ばから後半にかけ、次々に伝えられました。

紙巻タバコの起源は、スペイン人にあると言われています。
タバコの葉を巻くものは、アメリカ大陸では植物の薄い皮でしたが、スペイン人が紙に代えたというわけです。

それとは別に、現在のような紙巻タバコの形態は、エジプト人によって広められたという説もあります。
 

●欧州社交界の花形へ
フランスでは、駐ポルトガル大使のジャン・ニコが、1559年に新しい医薬としてタバコを王室に献上します。(最も身近な依存性薬物の一種である。「ニコチン」の名前は、1550年にタバコ種をパリに持ち帰ったフランスの駐ポルトガル大使ジャン・ニコに由来する)
それをカトリーヌ女王が頭痛薬として用いたことから注目され始めました。
その後、パイプ喫煙が普及しますが、やがて貴族が煙を吐くのは見苦しいとされ、上流社会では嗅(か)ぎタバコが用いられるようになります。
イギリスは16世紀後半に新大陸に進出し、ウォルター・ローリー卿らがパイプ喫煙を持ち帰りました。
そして、社交界では乗馬、狩猟などと共にパイプをくゆらすのが紳士の条件とされるようになりました。
後に、30年戦争などがあり、各国の軍隊をはじめ多くの人や物資の往来があり、タバコもヨーロッパ中に広がっていきました。
 
 
●海路アジアへ
1543年種子島に鉄砲伝来とともにタバコも上陸しました。島主、種子島時堯(ときたか)は鉄砲の威力に驚嘆。
タバコは南蛮貿易が盛んになるにつれ国内に広まり、やがて国内でもタバコの生産が始まりました。

その後の江戸時代、庶民の間で習慣として広まっていたと考えられます。

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