一行は午後一時、ポウザーダ・カリブレーで昼食をご馳走になっていた。
「これがアマゾンのフェイジョアーダです」と紹介されたのは、MANICOBA(マニソバ)という食べ物だった。
「馬糞のようでしょ」。事情通、アマゾン・トラベルの北島義弘社長は冗談めかすが、食物繊維がいっぱい浮かんだ真っ黒な汁という外観からは、まさにその通りの印象を受ける。名前だけ聞いたら、チベットの蕎麦かと思うが、ポ語の名称がこれだ。
牛や豚の肉や内臓を、マンジョッカに似たマカシェイラの葉と一緒に煮込んだものだ。北島社長いわく「煮込めば煮込むほどいい味になる」そう。インディオ料理起源のスタミナ食として有名なようだ。
アフリカ黒人奴隷の料理文化の強い影響を受けたバイーア州と違って、パラー州は先住インディオの影響を受けている。
屈強な体格のバス運転手二人が、油ご飯に例のマニソバを山盛りよそり、さらにマンジョッカ粉をかけている。他にも色々料理があるが、わき目もふらずマニソバのみだ。
実際食べてみると、これが美味い。少々苦味があり、好き嫌いは別れそうだが、慣れたらクセになりそうな味だ。食通のご婦人たちも、さすがに最初こそ敬遠気味だったが、最後の方はすっかり器が空になっていたから〃合格〃だったのだろう。
パラー州は、バイーア州と並んで郷土料理で有名な土地。バイーア料理がアフリカから黒人が持ち込んだレシピによるものなのに対し、ここパラー州では、先住インディオが伝えた料理がそのままヨーロッパ移民たちに受け入れられ、現在でも好んで食されています。
MANIÇOBA: (マニソバ)
インディオが狩りに出かける時にマニーバ(マンジオッカ)の葉をすり潰したものを携帯し、獲物と一緒に煮て食べたというのが起源。その後白人入植者からの影響を受け、干し肉等を加えるようになった。従って材料はマニーバの葉以外はフェイジョアーダ(日本でもおなじみになってきた、ブラジルの代表的豆料理)とほぼ同様。見た目はグロテスクだが、味はそうでも無い。おからに似たこくがある。
材料:マニーバ20束(すり潰したものを市場で買える)、調理済み豚肉1キロ、リングイッサ500グラム、ソーセージ500グラム、調理済み牛ホルモン2キロ、豚の皮付き油1キロ、ベーコン100グラム、調理済み牛タン1ヶ、調理済み牛足(出汁用)1ヶ、にんにく、塩、玉ねぎ、黄唐辛子、ローリエの葉。
作り方:すり潰したマニーバの葉を蓋をせずに5日間煮込む(夜のみ火を止める)。2日目に豚の皮つき油を切ったものを一緒に入れる(最後に形が無くなる)。5日後に調理済み肉を加え、さらに丸1日煮込む。肉に塩分が多く含まれているので、塩を加えるのは最後に、味を見てからにすること。
マニソバは、マニーバ(マンジョッカ)の葉を挽いた粉と牛や豚の肉や内臓などをいっしょに煮込だものである。マニーバは毒素をなくすため4〜7日間煮込む必要がある。
★先住民インディオの食「マニソバ」!!癖があるけどヤミツキになる味だそうで、野性的な逞しい料理と言えると思います。
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