松樹千年翠

2008年11月6日 読書
「ちょっと困った時、いざという時の「禅語」100選」
という本を最近良く読んでいます。

「禅」はっきり言えば私のような凡夫には理解不能です。でも、私のような凡夫にこそ「禅」の知恵が必要なのも皮肉的ですが本当はそうなのです。
この本には「禅」の知恵が判り易く書いてあって私は良い本だと思いました。

以下、紹介。(引用)
「松樹年々翠」(しょうじゅ千年のみどり)
江戸時代から明治時代にかけて活躍した日本の禅僧・原坦山の逸話です。

若き坦山和尚が行脚の途中で、とある小川を渡ろうとすると、若い女がその流れを恐れ、渡れずに立ち止まっていました。
「さあ、わたしにつかまりなさい」
こういうと坦山は、その女性をさっと抱き上げ、そのまま向こう岸まで渡りました。
女性は頭を下げてお礼をいいましたが、和尚は気にも留めずにまた道を歩き出します。

しばらくして、その姿を見ていた連れの僧が、怒り心頭の表情で坦山に詰問しました。
「貴公はけしからん。坊主の身でありながら、先ほどは、なぜ女を抱いたのじゃ!」
すると、坦山和尚は大笑いしていいました。
「なんだ、お前はまだ女を担いでいたのか。私はもうとっくに女を下ろしてきたぞ」

現代社会で生きるわたしたちは、この僧のようにいつまでも過去を引きずったり、ちょっとした煩悩にとらわれたりして、ほんとうに大切なものを見ていないことがあります。
この禅語は墨蹟によく見られるもので、常に緑葉を保つ松や柏は「不変の真実」の象徴。
変化を繰り返す現象に心を奪われる世間の人に警告を発した言葉ともいわれています。
目先のことや過去にこだわると、ほんとうの楽しみを失ってしまうのです。

「目先のことや過去にこだわってはいけません」

●やっぱり目先の事や過去にこだわるのが普通の凡夫ですよ。だからこそこういう禅語に学ぶ姿勢が必要とされるのかも知れません。
今は、オバマ大統領誕生とか、小室容疑者の逮捕とか、ちまたには沢山のニュースが溢れ返っています。
その上、金融危機などに対しても、万年危機論を展開する者、それを批判する者・・・・と混迷を極めている時代です。
後、100年もしたら、今の時代は混乱の中の変革と混迷の時期と教科書に載る時代かも知れないです。

そんな中、「禅語」の知恵は時代を超えて私たちにメッセージを送ってくれています。凡夫なりに「禅語」の知恵を生かして、目先の事や過去にこだわらず本当に大切なモノを見ていく姿勢が大切なのだと私は思いました。

この本には良い「禅語」の知恵がいっぱい判り易く書いてあって良書だと私は思いました。



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